それでも、福祉用具は日々進歩しています。今では、60〜70代の利用者さまは自らインターネットで調べているため、福祉用具の知識が深い方も多いので納得していただくのは至難の技。プロとして利用者さまの生活をしっかり想像しながら提案できるように、これから先も常に勉強を続けていきます。
もちろん失敗もたくさんあります。一番衝撃的だったのは、手すりを設置しようと壁に穴を開けたときのことです。たまたま水道管にぶつかってしまい、そこらじゅう水浸しになったときは血の気が引きました。新築時の図面が残っていれば、壁の中の配管も事前にわかるのですが、なかなか残っていないんです。そのときは、事前に壁の中の配管を破損してしまう可能性があることをきちんと説明していたことと、上司がすぐに一緒に謝りに来てくれたので、利用者さまも理解して納得していただけました。
初めての利用者さまにあいさつするときは、「この利用者さまをどうしたら笑顔にできるだろうか」と不安もありますが、きっと最後には喜んでもらえるはずだと前向きに考え、毎回ワクワクしながら名刺を渡しています。
出発 | 営業エリアに出発 1日の準備を社用車に詰め込んで、いざ担当の知多半島へ |
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9:00 | アポイント1件目 東浦町のケアマネジャーさんと合流して、ドアを付け替えるお宅を訪問。 ヒアリングしながらその場で設計。平面図を書き出します。 |
10:00 | アポイント2件目 レンタルした車椅子の調子が悪いので見て欲しいと言う利用者さま。 使い方を説明してすぐに問題解決。 |
10:30 | 2件目のアポイントが早めに終わって時間が空いたので、担当しているケアマネジャーさんの事務所を訪問。困っている利用者さまを新たに紹介してもらうことに。 ざっくりとヒアリングして、提案のアイデアを考える。 |
11:00 | アポイント3件目 手すりの設置工事。このくらいの工事は職人さんではなく、自分で施工します。自分で描いた設計図通り、2〜3箇所に手早く手すりを設置。 |
12:00 | お昼休憩 午後のアポイントに備えて、東浦町から常滑市に移動。いつでも利用者さまやケアマネジャーさんからの電話に出られるように、車内待機しながらお弁当を頬張ります。 |
13:00 | アポイント4件目 シャワートイレの設置工事。職人さんに施工してもらうため、待ち合わせて 利用者さまのお宅へ訪問。使用方法までしっかりとレクチャーして納品完了。 |
14:00 | アポイント5件目 連絡を受けていたケアマネジャーさんと打ち合わせ。 新たな利用者さまの情報を共有してもらいながら、提案する車椅子、介護ベッド、住居のリフォームについて提案する案を考えます。 |
15:00 | 常滑市内のケアマネジャーさんの拠点3箇所を訪問。新しい福祉用具を案内しつつ、利用者さまたちの様子をヒアリング。お付き合いしている80人のケアマネジャーさんとは、1週間に1度はなるべく話をするように心がけています。 |
16:00 | アポイント6件目 レンタルの車椅子を納品。実際に座って操作してもらいながら使用感を確認。 利用する本人だけでなく、家族にも注意事項を丁寧に説明します。 「これで、出かけられるようになる!」と利用者さまが笑顔になった時が、この仕事をしていて一番嬉しい瞬間です。 |
17:00 | 事務所に戻り、事務作業。 利用者さまへの提案見積書、役所に提出する工事申請書、設計書の修正作業、メールチェック、翌日準備など。 |
20:00 | 帰宅 |
障害の数だけ、本人しかわからないような日常の困りごとは存在します。介護保険制度やケアマネ制度が充実した現在でも、「難病」に指定されるような症状に対応できる福祉用具について相談できる窓口は限られています。そこで、治療を担当している医師や理学療法士、はたまた同業他社のスタッフとも繋がりを持ち、○○に関してはあのドクター、◆◆の福祉用具については私に。と、あらゆる難病にも対応できるような組織の枠を越えたネットワーク作りに力を入れています。
「困っている人を助けたい」という想いで、この仕事に携わっていますが、難しいのはボランティアではなく、ビジネスとして成立させなければいけないこと。今でも判断に困ることはありますが、メディ.ケアが世の中から無くなって困ると思ってもらえる会社にしていきたいと模索し続けています。